2020 年 34 巻 5 号 p. 871-877
症例は74歳男性.2018年10月,S状結腸癌の診断で前医にてS状結腸切除術を施行.術前CTで左肝内胆管拡張を認めたとして同年12月,精査加療目的に当院紹介.CTで左肝内胆管拡張,MRCPでB4合流部付近での胆管途絶を認めた.経口胆道鏡ではB4合流部~左肝管にかけて乳頭状腫瘤を認め,経口胆道鏡下生検で腺癌と診断された.肝内胆管癌の診断で2019年1月,手術施行.術中,肝左葉表面に白色調の肝転移を認めた.肝内胆管癌としては転移を生じるような進行癌ではないと考え,大腸癌肝転移と判断した.肝転移巣は左葉に限局し,左肝管断端の陰性が得られたため,左肝切除とした.病理組織学的所見は,胆管および肝病変ともにCytokeratin(CK)7(-),CK20(+),CDX2(+)で大腸癌由来の腺癌で矛盾はなく,S状結腸癌の免疫染色の結果も同様であり,同時性胆管および肝転移を伴うS状結腸癌の診断となった.