2020 年 34 巻 5 号 p. 897-903
症例は60歳代,男性.壊疽性胆嚢炎を契機とした腹腔内膿瘍の術前診断で腹腔鏡下胆嚢摘出術・腹腔内ドレナージを施行した.手術所見では壊死融解により胆嚢床から完全に遊離した壊死胆嚢を認め,可及的に胆嚢管と思われる箇所で0号のモノフィラメント吸収糸を用いて二重結紮を行った.術終了直後から胆嚢床部ドレーンより胆汁の排液を認めERCを施行した.総胆管造影では胆嚢管断端と思われる箇所より腹腔内への造影剤の漏出を認めたが漏出点が不明瞭であり,カバー付き胆管金属ステントによる内視鏡的胆管ステント留置術を行った.ステント留置後11日目に排液の停止を認め,術後4カ月目にステントを抜去した.腹腔鏡下胆嚢摘出術後の胆汁漏に対して,カバー付き胆管金属ステントによる内視鏡的胆管ステント留置術は,患者QOLに配慮した治療選択肢の一つとして考慮されるべきと考えられた.