胆道
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症例報告
先天性胆道拡張症に対する嚢腫十二指腸吻合術後49年目に認めた重複胆管癌の1例
川﨑 圭史加藤 厚羽鳥 隆篠田 昌宏相田 真介板野 理宮崎 勝
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2020 年 34 巻 5 号 p. 904-912

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抄録

症例は49歳,女性.生後3カ月時に先天性胆道拡張症に対して嚢腫十二指腸吻合術が施行された.上腹部痛を認めたため近医で上部消化管内視鏡検査を施行し,嚢腫十二指腸吻合部から総胆管内に陥凹を伴う隆起性病変を認め,遠位胆管癌の診断で当科紹介受診となった.胆管生検の結果,肝門部領域胆管癌,遠位胆管癌の重複癌の診断となり,肝門部領域胆管を含む膵頭十二指腸切除術を施行した.術後の病理では,肝門部領域胆管の高分化型腺癌と,遠位胆管の低分化型腺癌の2病変を認め,先天性胆道拡張症に対する嚢腫十二指腸吻合術後の重複胆管癌の診断となった.術後補助化学療法を行い,1年2カ月現在,無再発生存中である.嚢腫消化管吻合術後長期に経過している症例でも,胆道系に潜在的な発癌リスクが高いことを認識し,さらに胆道系の重複癌の可能性も念頭において精査を行うことが必要と考えられた.

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© 2020 日本胆道学会
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