胆嚢結石症などの良性胆嚢疾患に対する標準治療は腹腔鏡下胆嚢摘出術であり,困難例に対する回避手術もガイドラインの整備により周知され安全に行われるようになってきた.一方,他の胆道疾患に対する鏡視下手術は,現行の保険診療制度からみると他領域に比べ遅れを取っている.原因として,1.胆道悪性腫瘍手術は開腹でも手術難度が高く,鏡視下手術導入への敷居が高いこと,2.ERCPやEUSによるインターベンション治療の技術が高くなり,外科的治療を要する機会が減ってきたこと,3.頻度の低い先天性疾患への手術は一部の施設でしか行われず,一般診療としての普及が困難であること,などが挙げられる.保険収載されている腹腔鏡下手術のロボット支援手術への適用拡大と,比較的ステージの早い悪性胆道腫瘍に対する鏡視下手術の保険収載が当座の課題であると思われる.