2022 年 36 巻 1 号 p. 37-46
腹腔鏡下胆嚢摘出術(Lap-C)は標準的な手術になったが,一方で,重大な合併症は一定の確率で起こり続けている.Lap-Cによる血管胆管損傷は最も避けるべき合併症のひとつであり,その予後は不良である.胆管損傷を回避するための解剖学的事項すなわちランドマークを理解し,危険回避手技を励行することが大切で,特にCritical View of Safety(CVS)の成立は誤認損傷の回避に有用である.また,急性胆嚢炎などの炎症性変化によりCalotの三角が線維化瘢痕化して剥離が困難になり,CVSを成立させることが不可能な,いわゆるdifficult gallbladderにおいては,胆嚢亜全摘術に代表される危険回避手術,特にfenestrationを積極的に選択すべきである.ランドマークを理解し危険回避手技と回避手術を自在に活用することが,安全なLap-Cの完遂につながる.