2022 年 36 巻 1 号 p. 55-59
症例は71歳の男性,黄疸・皮膚掻痒感を主訴に受診し,精査にてR0切除には肝三区域切除を伴う膵頭十二指腸切除が必要である広範囲胆管癌と診断された.十分な相談の上,化学療法を選択されたためbiweekly GC療法を導入した.経過中のCTでは遠隔転移や局所進展の進行は無く,腫瘍は縮小傾向を呈し,10コース後のPET-CTで異常集積を認めなかった.根治術を再検討するべく初回と同部位の胆管マッピング生検を再検した結果はすべて陰性であった.計13コースのGC療法を施行後に肝右葉尾状葉切除・肝外胆管切除・胆道再建術を施行した.結果,病理組織学的に完全奏効であり,リンパ節転移も認めなかった.現在術後化学療法は施行せず,無再発生存中である.GC療法で完全奏効を得られた胆管癌は極めて稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.