胆道
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症例報告
完全内臓逆位症に肝円索位置異常を伴う胆嚢結石症に対し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例
百武 佳晃吉留 博之大塚 将之安蒜 聡
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2022 年 36 巻 1 号 p. 60-65

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抄録

症例は76歳女性で,心窩部痛を主訴に当院受診し,腹部CT検査で完全内臓逆位症に合併した胆嚢結石症,総胆管結石症と診断された.内視鏡的に総胆管結石除去後に腹腔鏡下胆嚢摘出術の方針とした.腹部CT検査から胆嚢付着部の解剖学的位置異常を合併していることが予想され,手術所見では胆嚢が肝円索の右側に付着しており,正常解剖でいう右肝円索と同様の合併奇形と考えられた.ポート位置の調整を行い,肝円索の吊り上げを追加し胆嚢底部からの剥離を先行するアプローチの上で手術を完遂した.内臓逆位症は臓器が左右対称の鏡面像となる先天的発生異常であり,消化器系,心血管系,泌尿器系などに合併奇形を有する確率が高いとされている.今回,完全内臓逆位症に肝円索位置異常を合併した胆嚢結石症に対し,術前の慎重な画像評価および手術計画により,安全に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例を経験したので報告する.

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© 2022 日本胆道学会
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