2022 年 36 巻 1 号 p. 66-76
胆道癌の外科治療開発はこれまで拡大切除術式の開発と周術期患者管理の改善に重点が置かれてきた.周術期死亡率の低下にともない進行胆道癌に対する拡大切除術式の意義が確認されており,近年では肝門部領域胆管癌における肝動脈合併切除症例におけるacceptableな手術成績と生存成績が示され切除率の向上につながっている.一方,長期生存成績のさらなる向上を目的とした周術期補助治療の有効性を評価するための前向き臨床試験が行われており,薬物治療の奏効による腫瘍縮小により切除可能となった初回切除不能症例に対して切除を行うconversion therapyの有効性も報告されている.また,胆道癌に対する内視鏡下手術の適応の拡大とともに,術式の定型化と手術の安全性を検証したデータが示されており,今後はリンパ節郭清や生存成績といった腫瘍学的評価についてのデータが提示されてゆくことが期待されている.