2022 年 36 巻 4 号 p. 537-543
症例は80歳男性.右腎細胞癌に対して右腎摘出術を施行され,その16年後に腎細胞癌肺転移に対して肺切除が施行された.肺切除の術後経過観察中,胆嚢内に経時的に増大する腫瘤が指摘され,腎摘出後17年目に精査加療目的に当科を紹介受診された.腹部USでは胆嚢体部に18mm大の内部に血流のある有茎性腫瘤病変を認めた.腹部単純CTでは胆嚢体部に14mm大の隆起性病変を認めた.画像診断より胆嚢腫瘍と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術および12cリンパ節サンプリングを施行した.病理組織学的検査にて腎細胞癌(淡明細胞型)胆嚢転移の診断となった.術後8カ月の時点で再発を認めず,外来経過観察中である.腎細胞癌胆嚢転移は稀であるが,腎細胞癌の既往がある患者で胆嚢腫瘍を認めた際は胆嚢転移を鑑別疾患として挙げ,根治切除が期待される症例では外科切除が考慮される.