胆道
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症例報告
原発性硬化性胆管炎の経過中に胆嚢癌を発症した1例
吉原 絹子池田 貴裕岡本 辰哉北里 周三浦 史郎伊東 正博黒木 保
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2023 年 37 巻 4 号 p. 820-824

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抄録

症例は44歳男性.原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC),潰瘍性大腸炎に対し当院内科で経過観察中に胆嚢癌を疑われ手術目的に当科紹介となった.胆嚢床切除術及びリンパ節郭清術を施行.病理所見では漿膜浸潤を伴う高分化腺癌を認め,背景の粘膜面には胆道上皮腫瘍性病変biliary intraepithelial neoplasia(BilIN)-1~3を認めた.胆道癌の発症機序として,胆管炎や肝炎の持続によって酸化ストレスが蓄積し,DNAが障害されることで胆道発癌につながると報告されている.PSCにおける胆道発癌へのBilINの関与の可能性も指摘されており,本症例においても,非癌部の胆嚢粘膜にBilIN-1~3の異型を認めていることから,PSCによる慢性炎症を背景にBilINを介した多段階発癌の機序が疑われた.

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© 2023 日本胆道学会
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