2024 年 38 巻 1 号 p. 103-107
症例は42歳,妊娠6週の女性.受診11日前より心窩部痛があり,2日前より黄疸を自覚した.近医を受診したところ,血液検査で肝胆道系酵素上昇を認めた.腹部超音波検査で総胆管結石を認め,総胆管結石性胆管炎の診断で当院へ紹介受診した.Tokyo guideline2018に準拠しGradeIの急性胆管炎と診断した.産婦人科,放射線科,薬剤部と十分な協議を行い,被ばく量や使用薬剤に最大限に配慮しERCPの方針とした.塩酸ペチジンとブスコパンで鎮痛,鎮痙を行い意識下に十二指腸鏡を挿入した.膵管ガイドワイヤ法で胆管挿管に成功し,造影で遠位胆管に浮遊結石を認めた.体動もあり結石除去は危険と判断し,EST小切開後に7Frのプラスチックステントを挿入し終了した.明らかな偶発症なく第3病日に退院した.妊婦に対するERCPにおいては薬剤の制限があり被ばくへの配慮も必要である.当院での経験について文献的考察を交えて報告する.