2024 年 38 巻 2 号 p. 142-152
胆道癌は外科切除が唯一の根治療法であるが,術後の再発例や診断時切除不能症例も多く,最近ではコンバージョンサージャリーも注目されており,化学療法が果たす役割は大きい.胆道癌は腫揚占拠部位,進展範囲によって,術式と手術侵襲が異なるなど,大規模な臨床試験が困難であったが,術後補助化学療法に関してはいくつかのエビデンスが蓄積されつつあり,次回改訂の「胆道癌診療ガイドライン」に術後S-1投与が,推奨度とともに記載される予定である.一方,術前治療に関しては,適応基準が統一化されておらず,コンバージョンサージャリーを含め,未だ推奨される治療には至っていない.本稿では,胆道癌に対する化学療法のこれまでの臨床試験について解説するとともに,今後の展望や問題点について解説する.