2024 年 38 巻 2 号 p. 190-198
72歳女性.食欲低下,黄疸を主訴に来院した.CTで十二指腸乳頭部に20mm大の造影効果を有し,EUSで境界明瞭な低エコーとなる腫瘤を認めた.生検で小型類円形腫瘍細胞を認め,シナプトフィジン陽性,Ki67指数高値,神経内分泌癌(NEC)と診断された.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査で大細胞NEC,Ki67 100%,T2N1M0と診断された.補助化学療法なしで経過観察をしていた.術後2年8カ月,多発肝転移,門脈腫瘍栓,腹膜播種が出現した.カルボプラチン+エトポシド療法を開始し,1コース後のCTで著明な腫瘍縮小を認めたが,Grade4の好中球減少,発熱性好中球減少を認め,Performance statusも低下したため,化学療法は中止,術後2年11カ月で永眠された.本疾患に対する至適治療法確立のため,さらなる症例の積み重ね,検討が必要である.