医療ビッグデータ解析の研究報告を日常的に見るようになった.医療ビッグデータには,診療報酬明細データ・特定疾患登録データ・遺伝子情報コンソーシアムなど様々な種類があり,臨床研究に使用される.大きなサンプルサイズにより高い統計学的検出力が得られ希少疾患解析などが可能であることが,人気の理由となっている.これらの強みがある一方で,データ源の特性を理解して研究の計画・解析,結果の解釈をしないとバイアスのある結論を得るリスクがある.診療報酬最適化などを目的としたデータベース内のデータは,前もって定義されたクリニカルクエスチョンを検証する臨床研究のために収集されたものではないためである.
本稿では,医療ビッグデータとしてDiagnostic Procedure Combination(DPC)データベースを使用した胆道疾患の臨床研究を紹介して,医療ビッグデータ解析の可能性と注意点について概説する.