2025 年 39 巻 5 号 p. 826-833
症例は70歳女性.近医でCT施行したところ,胆嚢壁肥厚と膵頭部嚢胞性病変を指摘された.腹部MRIでは胆嚢体部に限局性壁肥厚を認め,分節型胆嚢腺筋腫症が疑われた.また,膵臓には複数の嚢胞性病変を認め,分枝型IPMNが疑われた.半年後に再検したところ,胆嚢体部の壁肥厚が結節状に増大し,膵頭部嚢胞性病変に壁在結節が出現していた.胆嚢癌と膵頭部IPMCと診断し,胆嚢床切除兼膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査では,胆嚢腫瘍は癒合管状~乳頭管状を呈した腺癌で,漿膜下層に浸潤していた.膵頭部嚢胞性病変の内容液は黒緑色調の粘液様物で,内部に壁在結節を認めた.壁在結節以外の嚢胞壁内層にも腺癌細胞の裏打ち像が認められ,原発巣と同様の組織像を呈し,膵の外側に位置することなどから,胆嚢癌の嚢胞状リンパ節転移と診断した.嚢胞状リンパ節転移を伴う胆嚢癌の報告は少なく,経時的変化を観察できた報告は認めなかった.