抄録
閉塞性黄疸において,術前減黄の意義と手術リスク因子について検討した.対象は過去10年間の結石症を除く下部胆管病変による黄疸の全例(n=42)で,減黄は経皮経肝法・内視鏡法・胆嚢外瘻法のいずれかにて行われた.術後9例(21%)に合併症が生じ,このような合併症を予測する臨床的因子を,統計学的に単変量および多変量解析した.単変量解析では,総ビリルビン,トランスアミナーゼ,LDH,ALP,γ-GTP値が有意に減少していた. 多変量解析では, 減黄前の血小板数および減黄後の血小板数とクレアチニン値が, 合併症発生と正の関連を示した. 血小板増多が, 予後不良の一因子であるという文献は少ない. 結論として, 黄疸症例で術前に血小板数が多い場合や腎機能が低下している場合,手術侵襲の軽減あるいは術後管理に注意すべきと思われた.