胆道
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肝門部胆管癌の肝臓側胆管における進展様式の検討
川本 徹轟 健小池 直人金澤 伸郎深尾 立斉藤 澄中村 恭一
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1996 年 10 巻 2 号 p. 131-137

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抄録
肝門部胆管癌の肝臓側胆管進展は,切除根治性を左右する重要な因子である.そこで,全割標本の得られた58例について肝臓側胆管への癌進展様式を整理し,原発腫瘍の肉眼形態,組織型および切除縁における癌浸潤陽性頻度等との関連性について検討した.肝臓側胆管断端(hw)において癌浸潤が肝管粘膜上皮にあるが,肝管壁やグリソン鞘には癌浸潤がない粘膜型(18例),癌浸潤の先進部が粘膜上皮にはなく,肝管壁やグリソン鞘にある外膜型(35例)に分類した.ただし,粘膜と外膜の両者ともに癌浸潤陽性の5例は除外した.粘膜型では原発腫瘍の肉眼形態は乳頭型が多く,組織型は乳頭腺癌が多い.一方,外膜型は結節型や浸潤型が多い傾向にあり,低分化型腺癌5例を含み37例の管状腺癌例中31例が外膜型であった.また,切除縁における組織学的癌浸潤陽性頻度は,hwと剥離面(ew)の両者とも粘膜型より外模型に高率であった.この結果は,肝臓側胆管進展範囲の術前診断で配慮すべき重要な病理形態学的背景である.
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© 日本胆道学会
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