胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
胆嚢十二指腸吻合術後に異型胆嚢上皮を認めた1例
吉田 徹中村 眞一菅井 有菅野 千治肥田 圭介斎藤 和好
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 10 巻 2 号 p. 150-154

詳細
抄録
症例は65歳男性で,発熱を主訴に来院した.精査の結果,30年前に胆石の手術の際に施行された胆嚢十二指腸吻合術後の総胆管結石と診断した.吻合部を含めて胆嚢を摘出し,十二指腸は一期的に閉鎖し,胆管切開切石術およびTドレナージを施行した.病理学的検索で,胆嚢十二指腸吻合部近傍胆嚢粘膜の一部に異型上皮を認めた.免疫組織学的検索で,MIB-1抗体陽性率は,38%と高値を示し,p53蛋白も陽性であった.この結果より,胆嚢十二指腸吻合部の胆嚢粘膜は,長期にわたる腸内容の逆流,うっ滞による化学的刺激が粘膜上皮の細胞回転を亢進させ,異型上皮の発生に関与する可能性が示唆された.また,癌抑制遺伝子p53も異型上皮の発生過程に関与している可能性が示唆された.
著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top