抄録
肝門部胆管癌と肝門部に及ぶ肝内胆管癌(肝門型肝内胆管癌)の病態と予後規定因子を比較し, 治療方針の違いや, 癌取扱い規約統一の可能性につき検討した. 教室で根治的切除術を受けた肝門部胆管癌症例(16例, A群)と肝門型肝内胆管癌症例(12例, B群)を対象とした.A 群はB群に比べ黄疸例が多く, 腫瘍径が有意に小さかった. 再発部位はA群で肝門部, B群で残肝内が多かったが, 群間で術後生存率に差はなかった. 有意な予後規定因子として, B群では組織学的門脈浸潤, リンパ節転移の有無が認められたが, A群では有意な因子はみられなかった. 治療方針として, 肝門部胆管癌では肝門部局所の根治性を上げるため血管合併切除再建を含めた広範な肝切除を, 肝門型肝内胆管癌では, 肝内再発予防のため術後補助化学療法を追加すべきと思われた.予後規定因子や再発部位が異なることから, 統一した規約は妥当ではないと考えられた.