胆道
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20 巻, 2 号
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  • 菊山 正隆, 笹田 雄三, 小出 茂樹, 平井 律子, 大田 悠司
    2006 年 20 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    血管造影下CT(AG-CT)の後に外科的治療を受けた肝外胆管癌症例13例について, 造影後期相における造影様式および造影される腫瘍の形態と, 病理組織学的な腫瘍の深達度を比較・評価した. 後期相にて造影効果を有した11例はすべてss以上の進行癌であった. 11例中最外層が不整な症例8例はse(panc 1b)以上であった. 膵内胆管癌は7例あり5例で肥厚した壁の最外層が不整であった. 不整壁肥厚が軽度な(<5mm)3例中1例はpanc1b, 他の2例はpanc2であった.高度な(≧5mm)2例はともにpanc 2以上であった. AG-CT 造影後期相の所見により, 肝外胆管癌の壁深達度が予測できる可能性が示唆された.
  • 近藤 千博, 千々岩 一男, 甲斐 真弘, 大内田 次郎, 前原 直樹
    2006 年 20 巻 2 号 p. 128-134
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    肝門部胆管癌と肝門部に及ぶ肝内胆管癌(肝門型肝内胆管癌)の病態と予後規定因子を比較し, 治療方針の違いや, 癌取扱い規約統一の可能性につき検討した. 教室で根治的切除術を受けた肝門部胆管癌症例(16例, A群)と肝門型肝内胆管癌症例(12例, B群)を対象とした.A 群はB群に比べ黄疸例が多く, 腫瘍径が有意に小さかった. 再発部位はA群で肝門部, B群で残肝内が多かったが, 群間で術後生存率に差はなかった. 有意な予後規定因子として, B群では組織学的門脈浸潤, リンパ節転移の有無が認められたが, A群では有意な因子はみられなかった. 治療方針として, 肝門部胆管癌では肝門部局所の根治性を上げるため血管合併切除再建を含めた広範な肝切除を, 肝門型肝内胆管癌では, 肝内再発予防のため術後補助化学療法を追加すべきと思われた.予後規定因子や再発部位が異なることから, 統一した規約は妥当ではないと考えられた.
  • 上田 順彦, 木村 俊久, 澤 敏治
    2006 年 20 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)の治療成績の向上をめざすことを目的として, LC543例の術中合併症を検討した. 合併症発生は急性胆嚢炎の53例中8例, 発生率15%で, 非急性胆嚢炎は490例中4例, 発生率0.8%であった. 急性胆嚢炎の癒着は胆嚢炎が軽症から重症となるほど, また緊急より早期, 待機手術になるほど高度であった. またPTGBD を留置した重症胆嚢炎の待機手術例では, 21日以降に手術を施行した群でも中等度以上の癒着を認めた. 急性胆嚢炎で術中合併症を認めた8例は, 重症胆嚢炎の早期手術1例, 待機手術2例, 中等症胆嚢炎の待機手術5例であった. また全例中等度以上の癒着を認めた. これら急性胆嚢炎の胆管損傷6例中4例はCalot三角部の強固な癒着による胆管誤認であった.
    以上より急性胆嚢炎ではPTGBDを留置しても強固な癒着が起こる前に早期に手術をすることが合併症を減らすことにつながると考えられた.
  • 清水 恵理奈, 菊山 正隆, 平井 律子, 松村 和宣, 金 英幸, 長澤 正通, 小川 薫
    2006 年 20 巻 2 号 p. 142-146
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    治癒切除不能な悪性胆道狭窄症例のQOLを維持する目的でexandable metallicstent(EMS)が留置されるが, 合併症である胆嚢炎のためにQOLが損なわれることが経験される. 胆嚢炎の発症要因を統計学的手法で検討した. 対象は胆嚢摘出術後症例を除いたEMS留置188例であり, 胆嚢炎は10例(5.3%)に発症した. 膵癌7例, 胆管癌3例であった. 全例で胆嚢ドレナージ術を実施し, 胆嚢胆汁の培養の結果でKlebsiellapneumoniae, K.oxytoca, Enterococcus faecalisをそれぞれ2例, 2例, 1例に認めた.統計学的検討の結果, 有結石症例に対するcovered EMS留置, 胆嚢管合流部に及ぶEMS留置, および腫瘍よる胆嚢管閉塞症例に対するcovered EMS留置が胆嚢炎発症の危険因子であることが示唆された.胆管炎の合併は危険因子ではなく, EMS下端が十二指腸腔に及ぶ留置は関連が示唆されるものの有意なものではなかった. 胆嚢炎発症には逆行性感染以外の経路が推定された.
  • 竜 崇正, 趙 明浩, 高山 亘, 小林 進
    2006 年 20 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    肝に異常のない53例を対象とし, 1989年のCouinaudに従い背側肝をI1, Ir, caudate process(CP), Ir門脈をb-vein, c-vein, d-veinに分けて, 背側肝の門脈支配を検討した. 「結果」背側肝の門脈が共通幹を形成せず, その領域のみを還流する枝が 194 本, 他の背側肝領域と共通幹を形成したのが 31例 31本にみられた. 単独 I1 枝 72 本中 68本(94%)が左の門脈から分岐し, CP単独枝39本中21本(54%)が右門脈, 16本(41%)が後区域門脈根部, から分岐した. b-vein単独23本中15本(65%)が左門脈から, c-vein単独30枝中15枝(50%)が右門脈, 8本は左門脈(27%)から分岐した. d-veinは30本みられ, 28本(93%)が後区域第2枝より末梢から分岐した. I1枝がIr枝との共通幹を形成した18例中14例(78%)が左門脈から分岐した. I1とCP枝との共通幹は5例であった. 全体として, 23例(43%)でI1枝が右倒のb-veinやc-vein, CP枝との共通幹を形成した. しかしd-veinが他の背側肝と共通幹を形成したのは1例もなかった. 「結論」門脈 segmentationからみて, 尾状葉はCouinaudの背側肝のうちd-vein還流領域を除いた領域である. 43%の症例で左側と右側尾状葉門脈が共通幹を形成したことから, 尾状葉は一区域として考えるべきである.
  • 安全な胆道内視鏡治療を目指して
    真口 宏介
    2006 年 20 巻 2 号 p. 155-158
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    低侵襲性治療の観点から, 胆道内視鏡治療はさらに広がりつつある. これらの治療法は低侵襲的に劇的な効果が得られるが, 一方で手技に伴う偶発症が常に問題となる. 重要なことは, 正しい適応の選択と確実な手技の習得である. その意味で, 手技の標準化, 教育プログラムの作製そして教育機関の充実が重要な課題である.
  • 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)と内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
    安田 一朗, 森脇 久隆
    2006 年 20 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    総胆管結石に対する内視鏡治療は, 簡便で低侵襲であることから, 現在標準的な治療法として広く認識されている. この代表的な役割を果たしているのが内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)であるが, わが国においては内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)もまた多くの施設で行われている.この2つの治療法にはそれぞれ利点と欠点があるが, それらを十分に理解することは, 状況に応じたより良い治療法を選択する上で役に立ち, また適切な手技の習得はより安全で効率の良い治療を行う上で不可欠である. 本稿では, EPBD・ESTの適応について検討するとともに, 手技の実際におけるコツとpitfallについて解説する.
  • 良沢 昭銘, 浦山 直樹, 岩野 博俊, 御厨 邦子, 原野 恵, 森 早耶香, 石垣 賀子
    2006 年 20 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    急性閉塞性胆管炎の治療の基本となるのは胆道ドレナージ術である.胆道ドレナージ術には, 経皮経肝的胆道ドレナージと, 内視鏡的胆道ドレナージがあり, それぞれの長所, 短所を十分理解した上で選択する必要がある.内視鏡的治療は, 一期的に診断・治療が可能な点, 処置後の生活制限が少ない点が長所である.内視鏡的胆道ドレナージ術が成功すれば, 低侵襲的に劇的な治療効果が得られる反面, 手技成功率が術者に依存する, 重篤な偶発症を招く可能性がある, などの課題が残る.本稿では, 急性閉塞性胆管炎に対する治療法の選択および内視鏡的胆道ドレナージ術の実際について概説するとともに, 選択的胆管挿入困難症例に対する対処法とそのコツについても述べる.
  • 高橋 邦幸, 真口 宏介
    2006 年 20 巻 2 号 p. 172-179
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    切除不能悪性胆道狭窄に対する胆管ステンティングの施行に際しては, 原疾患, 予後, 狭窄部位等を考慮してステントの種類口径, 留置法を決定する必要がある. 一般に, 中・下部胆管狭窄に対しては, 大口径で腫瘍のingrowthを防げるcovered metallicstentが第一選択となる. 早期合併症としては膵炎, kinking, 胆嚢炎がある.後期合併症では, 胆道出血, ステントの逸脱(dislocation), 潰瘍形成などがある. 肝門部胆管狭窄については種々の問題が残っている. 片葉ドレナージで良いのか両葉ドレナージが必要かについても意見が分かれている. ステントの選択についてもuncovered metallic stentの複数本留置を推奨している報告もあるが, 胆道出血や肝膿瘍などの合併症や閉塞時の対応が困難となるなどの問題点がある. ステント閉塞時の対処を考慮し, 経乳頭的ルートでのplastic tube stentの複数本留置を推奨している報告もあるが, 治療成績についてのevidenceは少ない. これらについては今後の課題である.
  • 中川原 寿俊, 萱原 正都, 古河 浩之, 北川 裕久, 太田 哲生, 全 陽, 中沼 安二
    2006 年 20 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は80歳, 女性.平成17年2月より発熱を認め, 近医を受診した. 血液検査, 腹部超音波検査にて閉塞性黄疸を指摘され, 精査加療目的にて当科入院となった. CT scanにて, 総胆管未端から十二指腸乳頭部に腫瘍性病変が認められ, 内視鏡検査の生検にて, 高分化型腺癌と診断された.露出腫瘤型十二指腸乳頭部癌の診断で, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術が施行された.腫瘍は, 乳頭部共通管を中心に十二指腸粘膜と肝側胆管に乳頭状に増殖していた. 乳頭部の腫瘍 (AcAd) は, 上皮内癌が主体で, 一部に十二指腸粘膜筋板への微小浸潤や十二指腸上皮内進展も認められた.肝側胆管(Ab)では, 高度異型腺腫が主体で, 部分的に上皮内癌が存在するポリープ状の病変として認められた.以上より, 本疾患は biliary papillomatosisと診断された. 粘液産生に乏しい本症例を術前に診断することは困難であり, 興味ある組織像を示した貴重な症例と思われたので報告した.
  • 深見 保之, 長谷川 洋, 坂本 英至, 小松 俊一郎, 広松 孝, 河合 清貴, 田畑 智丈, 夏目 誠治, 青葉 太郎
    2006 年 20 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    患者は72歳, 男性. 既往に胃潰瘍で胃切除術 (B-I再建), S状結腸癌手術歴があり, また以前から完全内臓逆位を指摘されていた. 上腹部痛を主訴に当院を受診した. 腹部超音波検査, 腹部造影CT, MRCPで胆石・総胆管結石と診断し, 腹腔鏡下総胆管切石術を施行した. 術者は患者の左側に立ち, 通常の腹腔鏡下総胆管切石術と同様の配置で手術を施行した. 正中創の左側, 臍レベルからopen laparoscopy 法で12mmカメラポートを挿入. 剣状突起下, 左肋弓下にそれぞれ5mmポートを挿入し, 左右対称を認識しながら, double-hand techniqueで手術を施行した. 術中胆道造影にて総胆管結石を確認し, 胆管切開を行い切石し, 一期的縫合閉鎖を行った.術後経過は良好で術後第5病日に退院した.
    完全内臓逆位症に合併した総胆管結石症に対して, 腹腔鏡下総胆管切石術を施行した症例は, 検索しえたかぎり本症例が本邦第1例目であった.
  • 小出 茂樹, 菊山 正隆, 笹田 雄三, 平井 律子, 大田 悠司
    2006 年 20 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性. S状結腸癌術後の経過観察中に, 腹部超音波検査で胆嚢壁肥厚を指摘され, 精査目的で入院した. ERCPで胆嚢のクローバー様変形と胆嚢壁に細かな造影剤の貯留像を散見した. 切除標本で胆嚢底部に消化性潰瘍に類似した潰瘍瘢痕とびまん性の胆嚢壁肥厚を認めた. 病理診断では潰瘍瘢痕に一致し粘膜下層に及ぶ線維化と近傍の胆嚢動脈の内膜肥厚, 血栓形成を認めた. 胆嚢壁にはびまん性にRokitansky-Aschoffsinus が増殖していた. クローバー様変形は血流障害による虚血の結果, 潰瘍形成に至り治癒し, 胆嚢の変形を来したものと考えた. 本症例は特発性胆嚢穿孔の発症機序を裏付けるものと思われた.
  • 佃 和憲, 平井 隆二, 高木 章司, 三宅 孝佳
    2006 年 20 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 術前に肝門部胆管癌と診断し手術を行ったが, 病理学的には狭窄部の主体は硬化性胆管炎と診断され, さらにその一部に早期胆管癌の合併した症例を経験した.
    症例は78歳, 女性. 肺病変の検索のため撮られたCTで左葉の肝内胆管拡張を指摘された. ERCPおよびPTCで左肝管の2cmにわたる狭窄を認めた. 胆汁細胞診はClass IIIであった. 確定診断をつけるため経皮的胆道内視鏡検査下に生検を試みるが採取上皮が少なく診断が得られなかった. 肝門部胆管癌を否定できないため, 拡大肝左葉切除術, 肝外胆管切除術および胆道再建術を行った. 胆管合流部から左肝管にかけて全周性の狭窄を認めた. 病理組織検査では, 肝管は線維性増殖による狭窄を示し, 肝実質では門脈領域主体の炎症変化を認め, 硬化性胆管炎の診断であった. しかし, 狭窄部の一部に異型性のある腺管が散見され, またリンパ管内での癌細胞の増殖がみられ胆管癌と診断された. 限局性原発性硬化性胆管炎の一部に早期胆管癌を合併する珍しい症例であった.
  • 飛田 浩輔, 今泉 俊秀, 大谷 泰雄, 岡田 健一, 松山 正浩, 矢澤 直樹, 種田 靖久, 柏木 宏之, 石井 正紀, 堂脇 昌一, ...
    2006 年 20 巻 2 号 p. 204-212
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    多脾症候群はほとんどの場合高度のチアノーゼを伴う複雑心奇形を有し, 内臓錯位症を合併する稀な疾患である. ファロー四徴症(T/F)術後16年で胆石総胆管結石を発症した, 成人型多脾症候群, 十二指腸前門脈総胆管の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 症例は56歳, 女性. 主訴は食後の心窩部痛. 既往歴は, T/Fの診断で34年前, Blalock-Taussig手術, 16年前に根治手術を施行した. その後心不全で入院加療歴数回あり.今回平成12年5月食後の心窩部痛・嘔吐が出現し当院救命センター受診.胆嚢総胆管結石を認め緊急入院. 入院後の画像診断の結果, 多脾症, 肝部下大静脈欠損による奇静脈連結, 左側胆嚢, 腸回転異常症, 十二指腸前門脈総胆管走行異常と診断. 心機能の評価を慎重に行い開腹手術施行, 前述の先天奇形を確認した. 胆摘, 総胆管切石術を施行, 術後14病日軽快退院となった.
  • 七島 篤志, 角田 順久, 木下 直, 山崎 和文, 阿保 貴章, 長嵜 寿矢, 田中 賢治, 澤井 照光, 林 徳眞吉, 安武 亨, 中沼 ...
    2006 年 20 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆管内乳頭状腫瘍(IPNB) は胆管内で乳頭状の増殖を示す腫瘍における新しい概念である. 患着は47歳男性. 発熱・肝機能障害が幽現し, 腹部CT上右肝管から肝門部胆管にかけて胆管内に3×2cm大の隆起性病変が発見された. 末梢胆管は軽度拡張していたが黄疸は認めなかった. 肝右葉側の予定肝切除容量が75.5%であり経回腸静脈的右門脈塞栓術を施行した. 2週間後に切除予定容量は46%まで著減した. 経過中閉塞性黄疸が進行したため経皮経肝胆道ドレナージで黄疸を軽減し, 5週目に拡大肝右葉切除, 尾状葉切除および肝外胆管切除術を行った. 肉眼所見では総胆管から右肝内胆管にかけて連続性に進展し乳頭状に発育し, 病理組織所見では胆管上皮に円柱状の高分化乳頭腺癌が認められ, IPNBと診断された.pT1, pN0, P0, H1, M (-) で胆道癌取扱い規約のf Stage IVb, 総合的根治度Cであったため再発に対する厳重な経過観察が必要と考える.
  • 広瀬 慧, 小野山 裕彦, 海邊 展明, 野村 秀明
    2006 年 20 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    急性胆管炎は容易に重症化するため早急な胆管ドレナージを必要とするが, エンドトキシン吸着療法で急性期を乗り切り根治手術ができた症例を経験したので報告する. 症例は81歳男性, 腹痛, 39℃の発熱, 黄疸のため緊急入院した. 既往歴では十二指腸潰瘍, 胆嚢総胆管結石症, 下行結腸癌で 3回の手術既往がある. 急性胆管炎と診断し早急な胆管ドレナージを必要としたが, 非手術的胆管ドレナージができない状態であったためPMXDHPによるエンドトキシン吸着療法を行ったところ著明な改善がみられ, 待機的外科手術にて十二指腸を切開し経乳頭的に総胆管切石術を施行し得た. 急性胆管炎の治療は胆管ドレナージが第一選択であることはいうまでもないが, PMX-DHPによるエンドトキシン吸着療法は急性胆管炎における1つの治療法として有用である可能性が示唆された.
  • 旭吉 雅秀, 千々岩 一男, 大内田 次郎, 甲斐 真弘, 近藤 千博
    2006 年 20 巻 2 号 p. 224-229
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は39歳の女性で, くり返す腹痛の精査目的で入院となった. 消化管内視鏡検査やその他の画像検査では, 疼痛の原因となるような器質的変化は認めなかった. 胆道ジスキネジアを疑い, 胆道の内圧測定を行うも乳頭の平均基礎圧は正常であり, また, 逆行性伝搬も認めず, 乳頭括約筋筋緊張型の胆道ジスキネジアは否定的であった. さらに, 胆道シンチでも胆汁の腸管への排出は正常であった. しかし, ERCP 検査1週間後の腹部単純レントゲンで, 胆嚢内に造影剤の残存を認め, 胆嚢の収縮不良が疑われたため, DIC-CTを用い, 卵黄負荷前後での胆嚢の収縮率を計算したところ, 18%と低値であった. 胆嚢ジスキネジアの診断で, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し, その後, 腹痛は消失した.本邦において, 胆嚢ジスキネジアに対して胆嚢摘出術を施行した報告は少なく, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 藤田 直孝
    2006 年 20 巻 2 号 p. 230-231
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
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