胆道
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膵胆管合流異常における胆嚢胆汁中アミラーゼ低値例の検討
松田 正道渡邊 五朗橋本 雅司宇田川 晴司
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2007 年 21 巻 2 号 p. 119-124

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抄録
【はじめに】高アミラーゼ胆汁は,膵胆管合流異常の存在を示唆するものとされている.しかし画像上合流異常が証明されても,胆汁中アミラーゼは必ずしも高値を呈するわけではない.今回は胆嚢胆汁中アミラーゼが103(IU/L)未満の低値例についてその臨床病理像を検討した.【結果】当科で手術を施行し,胆嚢胆汁中アミラーゼを測定した合流異常は65例で,103(IU/L)未満6例,103以上104(IU/L)未満5例,104(IU/L)以上54例で,中央値は6.3×103(IU/L)であった.胆嚢胆汁中アミラーゼ低値例は6例で,うち3例に胆嚢癌を,胆嚢粘膜過形成,膵癌を各1例に認めた.また1例は拡張胆管を充満する巨大な総胆管結石を伴っていた.【考察】主膵管の閉塞を伴う膵癌と,巨大総胆管結石例では,膵液の胆管内逆流が生じ難いため,胆嚢胆汁中アミラーゼが低値を示したと考えられる.特記すべきは胆嚢胆汁中アミラーゼ低値例にも胆嚢癌が少なからず認められた点である.アミラーゼ低値が発癌の結果として生じたものか,あるいは膵液の胆管内逆流はperiodicに生じるもので,一過性の膵液逆流でも発癌のinitiationとなる可能性があると解釈すべきか,興味ある現象と考えられた.
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