胆道
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Bouveret症候群で発症した,胆石イレウスの1症例
新倉 直樹飛田 浩輔福光 寛岡田 健一松山 正浩矢澤 直樹種田 靖久堂脇 昌一大谷 泰雄今泉 俊秀幕内 博康平林 健一
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2007 年 21 巻 4 号 p. 547-552

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抄録

われわれは,Bouveret症候群と呼ばれる,十二指腸に結石が嵌頓した胆石イレウスを経験したので, 報告する. 症例は72歳女性. 心窩部痛, 背部痛, 嘔気出現し近医に緊急入院した,上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に巨大胆石が嵌頓していた.胆石症,胆嚢十二指腸瘻,胆石イレウスの診断にて当院を紹介され入院となった.既往に僧房弁狭窄症があり内視鏡治療を第一選択とした.第4病日,内視鏡下にYAGレーザーを使用し採石試みるも困難であったため,第12病日に開腹手術を施行,胆嚢十二指腸瘻を同定し胆嚢摘出術,結石を摘出した.十二指腸瘻孔部閉鎖し手術を終えた.結石は53×44mmであった.術後腹腔内膿瘍を併発するもドレナージにて軽快,術後心不全認めるも,43病日に軽快退院となった.十二指腸球部に嵌頓する,胆石イレウス(Bouveret症候群)は胆石イレウスの9.0~14.6%と報告されており,検索をしえた限り本邦では16例報告されていた.

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© 日本胆道学会
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