胆道
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胆管内腫瘍栓により閉塞性黄疸をきたした大腸癌肝転移術後再発の1例
星本 相淳守瀬 善一棚橋 義直香川 幹加藤 充純池田 匡宏溝口 良順杉岡 篤
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2007 年 21 巻 4 号 p. 553-558

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抄録
胆管内腫瘍栓による閉塞性黄疸で発症した大腸癌肝転移術後再発の1例を経験したので報告する.症例は59歳,男性.他院にて1994年に上行結腸癌の診断で結腸右半切除術,2000年に異時性肝転移に対し肝右葉切除術を施行された. 2004年8月に横隔膜, 右腎に浸潤する肝断端再発を認め,当院にて肝S4部分切除,横隔膜・右腎合併切除を施行した.外来経過観察中の2006年5月,黄疸が出現し当科入院となった.腹部CTで肝門部に2cm大の腫瘤と,胆道造影で総胆管内に長径4cmの陰影欠損を認め,大腸癌肝転移術後の胆管内再発と診断し,同年7月に肝S4部分切除・肝外胆管切除,左肝管空腸吻合を施行した.切除標本の割面では胆管壁外に明らかな腫瘍は認めず,病変は胆管内に充満する腫瘍栓が主体であった.腫瘍栓は一部で胆管壁との連続性を認めるのみで,胆管上皮は保たれていた.病理組織学的には高分化型腺癌で,結腸癌の胆管内転移と診断した.
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© 日本胆道学会
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