胆道
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ダブルバルーン内視鏡を用いて電気水圧衝撃波結石破砕術で治療し得た胆石イレウスの一例
鎌田 英紀内田 尚仁小野 昌弘有友 雄一筒井 邦彦
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2007 年 21 巻 5 号 p. 647-651

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抄録

ダブルバルーン内視鏡(double balloon endoscopy; DBE)を用いて電気水圧衝撃波結石破砕術(Electrohydraulic lithotripsy; EHL)で治療し得た胆石イレウスを経験したので報告する.症例は70歳,女性.嘔吐を主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行脚に直径約4cmの胆石の嵌頓が確認され,胆石イレウスと診断された.精査加療目的で当科紹介入院となった.腹部CT検査では,十二指腸水平脚に直径4cmほどの石灰化した胆石を認めた.内視鏡を用いたEHLによる砕石を試みた.初回は2チャンネルスコープを用いたが,治療後に胆石が空腸に移動したため,2回目以降はDBEを用いて治療を行った.計3回のEHLにより砕石でき1週間後の腹部CT検査でも胆石の残存はなかった.胆石イレウスに対しては外科的治療が行われることが多かったが,DBEを用いたEHLによる砕石術は有用な治療法と思われた.

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