胆道
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治療編-非手術的治療の成績
伊佐山 浩通佐々木 隆中井 陽介外川 修川邊 隆夫戸田 信夫小俣 政男
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2007 年 21 巻 5 号 p. 685-691

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抄録

肝門部胆管癌に対する治療の基本は切除であり,本当に切除不能であるかどうかを真摯に検討することが重要である.現在の技術では根治の望める抗腫瘍療法は存在しないからである.非切除例に対する治療は胆道ドレナージと抗腫瘍療法の二本立てである.胆道ドレナージとしてはMetallic stentを片葉に留置した成績が良好で第一選択と考えられる.しかし,高いエビデンスではないので,今後も検討が必要である.抗腫瘍療法として局所進行例に対してはPDTの有効性が示されているが,放射線照射に関しては明確ではない.全身化学療法では標準治療が決まっていない.しかし,最近保険適応となったGEM,S-1の2剤の成績が良好あり,今後これらの薬剤を使用したレジメンから標準治療が決まってくるものと考えている.化学療法を安全かつ効果的に継続していくためにも,胆道合併症のマネージメントは非常に重要であることを再度強調したい.

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