抄録
乳頭狭窄(狭窄・不全)を,確実に診断することはきわめて因難である.今回は定圧灌流法をモデル胆管と乳頭炎犬に用いて,その診断学的有用性を基礎的に検討した.モデル胆管を用いた定圧灌流法では,末端抵抗の大小で流量が大きく影響されること,内圧波形は定流灌流法のものと,よく一致することが判明した.また,雑種成犬(対照犬)では,負荷圧(高さ)と流量は正の相関関係が認められた.フォルマリン注入乳頭炎犬(慢性犬)は,術後3週では胆管拡張と減衰時間の延長,流量の減少が,術後6週では胆管拡張は残存するが,減衰時間は短縮し,開放圧は高いが流量は増加した.慢性犬の実験では,乳頭は狭窄パターンから漸次不全パターンに移行することが判明した.これらの基礎的検討から,乳頭の機能的,器質的変化の診断に,定圧灌流と定流灌流の併用が有効であることが判明した.