胆道
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膵・胆管合流異常における胆嚢病変および胆嚢粘膜の病理組織学的所見
小柳 泰久吉松 昭彦伊藤 伸一土田 明彦青木 達哉木村 幸三郎
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1993 年 7 巻 4 号 p. 510-517

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抄録

膵・胆管合流異常(以下,合流異常)では,膵液と胆汁が相互に流入することによって膵や胆道に病変をもたらすが,胆嚢にも種々の併存疾患がみられる.そこで,合流異常39例について,併存病変と胆嚢粘膜の病理組織学的変化を検索した.
胆嚢における併存病変としては癌が多く(10例),その他,腺筋腫症,結石,ポリープなどであった.胆管拡張形態で比較すると,紡錘型では癌が多く,非拡張型では全例に何らかの胆嚢病変の併存がみられた.
胆嚢の病理組織学的検討においては,合流異常症例では過形成が高頻度にみられることが特徴であった.また,非癌部および癌との境界部の所見から,過形成が癌の発生母地にもなり得るものと推察された.合流異常では過形成は成人,小児ともに高率にみられたが,化生は小児ではみられなかった.

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