胆道
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腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し胆嚢癌と判明した5例の検討
加納 宣康山川 達郎石川 泰郎酒井 滋福間 英祐本田 拓春日井 尚水口 國雄
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1993 年 7 巻 4 号 p. 518-521

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抄録

1990年5月から1992年10月までの30カ月間に施行した,腹腔鏡下胆嚢摘出術409例中5例が,術中あるいは術後の病理組織学的検索にて胆嚢癌と判明した.年齢は51歳から66歳までで,平均59歳,性別は男性2例,女性3例であった.術前診断は2例が胆嚢ポリープ,3例が胆石症であった.症例1および2は,術後の病理組織学的検査で粘膜癌と診断されたもので,胆嚢摘出術のみで経過をみている.症例3,4および5は,術中あるいは術後の病理組織学的検査で深達度ssの胆嚢癌と診断されたため,肝床切除とリンパ節郭清を追加した.現時点では全例元気に生存しているが,今後厳重な経過観察を要する.本法施行に際しても,切除標本は必ず術中に肉眼診断し,癌が疑われれば術中に迅速組織診断し,癌と判明した場合は,深達度がpmまたはそれ以上なら,肝床切除とリンパ節郭清を追加すべきである.

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© 日本胆道学会
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