胆道
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外傷性胆管狭窄の1例
木村 文夫諏訪 敏一林田 和也柿崎 真吾
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キーワード: 外傷性胆管狭窄
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1993 年 7 巻 4 号 p. 522-526

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抄録

交通外傷後に発症した,外傷性胆管狭窄の1例を経験したので報告する.症例は20歳の女性で,受傷後16日目に全身倦怠感が出現し,その25日目に黄疸が出現した.入院時の血液生化学とCTから閉塞性黄疸と診断し,経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)を施行した,胆管造影で中部胆管に狭窄像を認めた,内視鏡的逆行性膵管造影では異常は認められず,血管造影でも異常はなく,腫瘍マーカーも正常であった.以上より,本疾患と診断し,PTCDの瘻孔からPTCSカテーテルを用いて狭窄部の拡張を行なった.PTCD施行後4週までに瘻孔の拡張を行ない,カテーテルを14Frとし,6週目に狭窄部の拡張を行なった.その後3ヵ月間カテーテルを留置し,総胆管の狭窄が消失したことを確認しカテーテルを抜去した.本疾患はこのように,保存的に治療しうるものと考えられた.

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© 日本胆道学会
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