抄録
症例は53歳, 男性. 黄疸および全身掻痒感を主訴に近医受診. 心窩部に圧痛を伴う硬い腫瘤を触知した. 腹部超音波検査およびCT検査にて肝内外胆管拡張, 膵頭部腫大が認められた. ERCPでは, 膵管に狭窄像を認めなかったが, 胆管は造影されなかった. 発症1カ月後, 腹部CTにて肝内に多数の低吸収域が認められた. 病変の主体は膵頭部よりも, 膵頭後部リンパ節, 大動脈周囲リンパ節などのリンパ節腫大であり ,膵癌以外の悪性腫瘍が示唆された. 確定診断のため, CT上低吸収域を呈した部分の超音波ガイド下肝針生検を施行し, 免疫染色の結果, 悪性リンパ腫と診断された. 化学療法と総胆管十二指腸吻合術で, 4年後の現在, 元気に日常生活を送っている.