2015 年 2015 巻 17 号 p. 77-78
肝臓は高濃度の薬物曝露を受け、その代謝を担う重要な臓器であり、医薬品の毒性標的となることが多い。医薬品の非臨床安全性試験としてラット、イヌまたはサルを用いた反復投与毒性試験が実施されるが、これらの毒性試験において肝毒性を示さなかった医薬品候補物質が臨床試験段階や上市後にヒトで肝障害を引き起こし問題となることがある。近年、製薬企業では、肝臓に対して安全性の高い医薬品候補を創製するために、動物での毒性試験に加えて、培養ヒト肝細胞を用いた毒性評価を創薬初期に実施するケースが増加している。