谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
レクチャー5 スフェロイド分科会の活動成果
5-2 医薬品の代謝物一斉分析法の開発
楠元 久美子
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2015 年 2015 巻 17 号 p. 79-81

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抄録

 医薬品の探索段階では、ヒト肝細胞培養系を用いた種々の薬物代謝・毒性評価への試みが精力的に検討されている1)。ヒト肝細胞が容易に入手しやすい環境になってきたことや、細胞培養技術の進歩により細胞の機能を維持しやすい培養基材が手に入るようになってきたことなどから、培養面においては、high-throughput化が可能な環境が整いつつある。また、小動物を用いたin vivoにおける化合物の代謝物検索も医薬品の探索段階で検討されることが多い。一方で、薬物代謝物プロファイル検出のための分析法については簡便化が進んでおらず、従来の分析法では未変化体および生成した代謝物の同時検出に長い分析時間を要し、かつ薬物ごとに分析条件を検討・構築していた2-5)。そこで、我々はliquid chromatography coupled to atmospheric pressure ionization-tandem mass spectrometry (LC/MS/MS)を用いて、薬物の脂溶性パラメー タ(cLogP)によって分類される、未変化体を含めた代謝物の迅速かつ簡便な一斉分析法の開発を検討した。

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© 2015 安全性評価研究会
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