2015 年 2015 巻 17 号 p. 82-87
薬物動態担当者にとっては、開発医薬品の代謝物検索、特にヒトと動物との代謝物の相違を知ることは重要課題である。従来のin vitro代謝系(S9フラクション、単層培養等)におけるin vivo代謝物の予測率は4~7割程度であり、特に多段階で生成する代謝物の予測は低いことが報告されている1,2)。これらの原因として、反応系の酵素や補酵素等の枯渇が考えられている。そこで、生体により近い3次元培養法は有効なツールではないかと考え、当分科会ではその有用性を検討してきた。これまでの3次元培養-スフェロイド培養-の薬物代謝に関する成果を報告する。