谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
新規評価技術
4.構造活性相関による毒性予測ソフトウェアCASE Ultra(MultiCASE)
山辺 英史
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2018 年 2018 巻 20 号 p. 42-47

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抄録
 医薬品の研究開発現場では、開発のコストを下げることやスピードアップを目的として(定量的)構造活性相関((quantitative) structure activity relationship: (Q)SAR)を含めたin silico解析を行い生体内に投与したときの活性や毒性を予め予測することが行われている。また、医薬品や一般化学物質の規制に関わる国際機関においても簡便かつ動物試験をせずに安全性を評価できる手段としてin silico解析の重要性を説いており、その手法開発と利用拡大を進めている。2016年1月に適用されたICH M7ガイドライン(潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドラインについて)中には、「コンピュータによる毒性評価は、細菌を用いる変異原性試験の結果を予測する(Q)SAR法を用いて実施すべきである」、といった指針も示されるようになった1)。本稿では、こうした中でその重要性が注目されているMultiCASE Inc.(以下、MultiCASE社)開発の毒性予測ソフトウェアCASE Ultraを題材にその予測システムについて解説する。
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© 2018 安全性評価研究会
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