昆布の機能性の主力は食物繊維にある。昆布の食物繊維の主成分は、野菜や穀物に含まれる食物繊維とは異なった化学構造を待つアルギン酸やフコイダンである。昆布のヌメリ成分には、この二つの多糖類が含まれている。乾物として流通する昆布には、食物繊維以外の成分として、うま味を形成するアミノ酸や甘味をもつマンニトールなどが存在する。さらに、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分、そしてヨウ素なども栄養成分として含まれており、栄養補助の目的に合致する優れた食品であることは、消費者に理解されていると考えられる。本稿では、生活習慣病のリスク低減などの機能性への期待が寄せられているアルギン酸とフコイダンに注目して、その特徴ある機能性を既知の研究成果を踏まえて述べる。