日本味と匂学会誌
Online ISSN : 2424-1326
Print ISSN : 1340-4806
6.うま味とにおいのインターラクション : 鰹ダシのおいしさを例に(<総説特集II>食における味とにおいの接点-6,うまみ研究会公開シンポジウム)
伏木 亨
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2009 年 16 巻 2 号 p. 185-188

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抄録

味とにおいは受容も伝達経路も異なる感覚であるが、食品の中では両者は常に共存する。両者の相互関係は密であり明確には区別し難い場合が多い。食品の味わいの中には、ほとんどの人がおいしいと感じるほど強いインパクトを持つものがある。油脂の味わいやダシの風味である。鰹ダシを中心とするダシの風味は日本食を考える上で欠かせないものである。鰹ダシのおいしさには、含まれるアミノ酸や核酸の呈するうま味が重要な役割を果たしているが、鰹ダシへの嗜好性がうま味だけで説明できるかは明らかではない。ここでは、うま味とにおいの相互作用の例として、鰹ダシへの高い嗜好性に対するにおいの影響についての研究の一端を紹介する。

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© 2009 日本味と匂学会
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