タウリンリサーチ
Online ISSN : 2434-0650
Print ISSN : 2189-6232
薬剤性腎損傷における iNOS 依存性 DNA 損傷に対するタウリンの 保護作用
加藤 俊宏恒川 雅洋山下 剛範馬 寧
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 2 巻 1 号 p. 19-21

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抄録
我々はこれまでにシスプラチン(以下、CDDP)投 与後の薬剤性腎損傷に酸化ストレスによるDNA損 傷が関わり、タウリンは抗酸化作用により薬剤性腎 損傷を軽減することを見出してきた。本実験は薬剤 性腎損傷モデルラットを用いて CDDP のニトロ化 ストレスによる腎損傷メカニズムとタウリンの保 護作用を検討した。 本実験により薬剤性腎損傷にニトロ化ストレス による DNA 損傷が関わり、タウリンはiNOSの発 現を抑制することによりニトロ化DNA損傷を軽減 することを見出した。これにより、タウリンの薬剤 性腎損傷保護作用の機序を確認した。 CDDP は悪性腫瘍に対して一般的に使用される 薬剤であるが副作用が強く、その予防法は大量輸液 療法のみであった。我々が見出したこれらの知見か らタウリンが CDDP の副作用予防に有用である可 能性が示唆された。
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© 2016 国際タウリン研究会

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