抄録
in vitro の非アルコール性脂肪性肝疾患 (Non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)モ デルとして使用されている脂肪酸負荷HepG2細 胞を用い、肝細胞の脂肪蓄積に対するタウリンの 作用を検討した。HepG2 への脂肪酸添加は、細 胞内の脂肪蓄積量、活性酸素種(ROS)産生、 過酸化脂質量を有意に増加させたが、タウリンは 0.01~3 mMで、用量依存的に肝細胞への脂肪蓄 積を抑制し、細胞内 ROS 産生も抑制した。 NAFLDの進展には、酸化ストレスや炎症反応が 関与していることから、タウリンは肝細胞におけ る脂質代謝改善作用に加え、ROS 産生の抑制に よる酸化ストレス軽減作用により、脂肪蓄積を抑 制している可能性が示唆された。