2017 年 11 巻 p. 139-149
本研究は、日々の子育てで大切になる子どもの身辺自立を取り上げ、母親が直面する身辺自立の困り感について、子どもの特性、援助要請の相手、保育の場への希望に関するモデルを組み立て、検証することを目的とした。方法は、オンライン調査を利用し、第一子が3歳から6歳までの子どもを育てる各年齢100名、合計母親400名を対象とした。発達の遅れの有無による違いを明らかにした結果、身辺自立困り感、保育の場への身辺自立支援希望において「気になる子」の母親の得点が高かった。また「気になる子」では、行為、多動から身辺自立困り感へ正のパスが示されたが、身辺自立困り感から援助要請の相手へのパスは示されなかった。「気になる子」の親の支援としては、1)母親の周囲の人も巻き込んだ支援、2)具体的な対応スキルの教授、3)地域資源との連携の3つが提案された。