季刊地理学
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論文
東京都世田谷区におけるコミュニティサイクルの利用特性
松本 江利奈宮澤 仁
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2015 年 67 巻 2 号 p. 69-86

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抄録

東京都世田谷区におけるコミュニティサイクル(CCS)の利用者調査の結果からその利用特性を明らかにし,地域の交通特性と関係づけながらCCSの役割を考察した。世田谷区のCCSは,主に区内在住者が区外へ,区外在住者が区内へ通勤・通学する際の末端交通として利用され,利用者の多くは徒歩や私有自転車,公共交通の利用から転換した者であった。また,利用者は,利用決定理由と利用開始後の評価として駐輪場所の確保と費用面の有利さ,区内目的地までの所要時間短縮の効果を主にあげていた。このような利用特性は,鉄道を使った通勤・通学移動の発地と着地の双方に該当する世田谷区の地域特性によるものであり,それゆえに平日の調査日には自転車を同一の専用駐輪場で借出・返却した者が多かった。しかし,非就業・通学者や日曜日の利用者にはCCSの特長である自転車を別の駐輪場で借出・返却した者が比較的含まれており,利用開始後の評価からも毎日ではなくとも状況や目的に応じて利用駐輪場を借出・返却で変える者は少なくないことが示唆された。

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© 2015 東北地理学会
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