臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
悪性リンパ腫との鑑別を要した胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍
麻生 智愛前田 智也山口 央岡村 大輔石川 真穂郡 美佳塚崎 邦弘松田 晃麻生 範雄佐藤 次生茅野 秀一高橋 直樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 64 巻 4 号 p. 271-276

詳細
抄録

多発性リンパ節腫脹や骨髄浸潤により悪性リンパ腫との鑑別を要した胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍症例を報告する。52歳の男性で,2ヶ月前より血痰,リンパ節腫脹,食欲不振,疲労感,発熱,発汗を自覚した。FDG-PET/CT検査で右上葉肺腫瘤,多発性リンパ節腫脹,骨病変を認め,肺がんを疑われて当院を受診。LD 11,977 U/l,可溶性IL-2受容体2,152 U/mlと高値であった。骨髄に大型の異常細胞を認め,悪性リンパ腫が疑われた。急速に呼吸状態が悪化し,第11病日に死亡した。胸水のセルブロックの免疫染色より胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍と最終診断された。胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍は,2021年版WHO胸部腫瘍分類において新しく組み込まれた喫煙歴のある男性に多い予後不良な疾患単位である。多発性リンパ節腫脹や骨髄浸潤を伴い,悪性リンパ腫との鑑別を要する疾患として留意すべきである。

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top