東北地理
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韓国における人口地理学
鄭 還泳
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1987 年 39 巻 2 号 p. 122-131

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抄録
本稿は韓国地理学界における人口地理学の研究をレビューし, 今後の研究方向を探ることを目的としている。
参考とした論文は121編であり, 研究の動向を年代別に概観した後, 内容別には人口増加, 人口分布, 人口移動, 人口構造の四つの分野に分けて整理を試みた。韓国における人口地理学研究の特徴として, 研究の歴史が比較的浅いこと, 人口増減, 分布, 移動に関する論文の数が多く, 人口構造や人口予測などの研究は少ないこと, ある特定の先駆的論文に基づいた類似の研究が多いこと, 統計資料の不足や資料利用の難さのために, 十分な研究が困難であること, 計量化の影響がそれほど強くなかったことなどが指摘された。
人口地理学は, 人口学とは違って様々なスケールの地域での人口問題に関心をもつ必要があり, これからの韓国における人口地理学の研究は, 山村地域をはじめとする人口過疎化, 人口流出に伴う農村地域の人口構造の変化, 都市地域における人口過密化, 全国または地方における人口の高齢化, 農村―都市間人口移動などに研究の重点を置く必要がある。また, 長期間の人口統計が整備されていない韓国の人口現象を分析するためには年齢コーホートの概念を用いた分析が高い有効性を持つ。
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