東海北陸理学療法学術大会誌
第23回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: C006
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Revision TKA後に再度膝関節可動域制限をきたした一症例
*奥井 達士塚本 彰沼田 秀人糸川 秀人
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キーワード: Revison, TKA, 関節可動域
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抄録
【はじめに】
 高齢化に伴う変形性膝関節症の増加に伴い全人工膝関節置換術(以下TKA)の施行は増加してきた。一方TKAの普及に伴い再置換(以下Revision)も年々増加している。Revisionは人工関節の破損、弛みや感染等の原因により余儀なくされるが、Revision後の理学療法に関しての報告は少ない。今回、Revision TKAを施行し再度膝関節可動域(以下ROM)制限をきたした症例の理学療法を経験したので報告する。
【症例紹介】
 80歳、女性、両変形性膝関節症。BMIは25.3。現病歴、1994年に右TKA施行。2006年6月に歩行時に疼痛出現し当院受診、7月に右Revision TKA施行。
【術前評価】
 FTA196/183°X-pにてlooseningを認め、穿刺にてメタローシスあり。ROMは膝屈曲110/145°伸展0/-10°、JOAスコア 歩行10/10 階段5/5 ROM25/25 腫張10/10 計50/50点、ADLは自立しており、歩行は疼痛があるものの屋内独歩、屋外での杖歩行は可能であった。
【術後経過】
 術後1日目より右膝関節ROM-ex、筋力増強運動開始、術後1週で右膝関節ROM屈曲100°伸展0°歩行器歩行自立、術後3週では屈曲角度120°まで改善し、T-cane歩行を行っていた。術後4週で左TKA施行、その後右膝関節にlateral thrust出現し、大腿四頭筋中心の筋力強化、歩行は支柱付膝装具を使用した。術後9週に明らかな外傷なく右膝関節に腫張、熱感あり屈曲80°と屈曲制限をきたし、荷重時疼痛が出現した。その後歩行時、大腿部・膝内側部痛があったが減少し術後14週で退院となった。退院時のROMは膝関節屈曲110°伸展0°JOAスコア 歩行15/15(疼痛なし)、階段15/15 ROM25/25 腫張10/10 計65/65点、歩行はT-cane歩行であった。
【考察】
 これまでの文献にはRevision後免荷期間があり、荷重時期に注意が必要との報告もあった。高井はRevision TKAの理学療法は骨移植の大きさや部位で荷重の時期が決まると述べている。今回術後の安静度は荷重に制限なく行った。本症例で問題となったのは、術後9Wより生じたROM制限・疼痛であった。術後の理学療法では早期にROMを改善させることが、患者の訴えの中でも多く重要である。井野らはTKA後のROMの改善率は1-2週が最も高く、術後3-4週以降の角度変化はほぼプラトーとなるとの報告があり、また結合組織の増殖は1週以降にみられ、人工関節を取り巻く瘢痕組織が完成するのはおよそ3~4週間であるとの報告もある。しかし本症例ではその時期以降の右膝関節屈曲制限が生じた。原因としては皮下出血を起こし膝内部で癒着してしまったためではないかと考える。lateral thrust ・Revisionなどにより支持機構が破綻していたため軽微な衝撃で出血を起こしたのかもしれない。本症例を経験しRevision TKAは早期離床、歩行が可能となったが、初回時と比較し長期的な経過を追う必要があると考えられた。
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© 2007 東海北陸理学療法学術大会
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