東海北陸理学療法学術大会誌
第23回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O034
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当院での癌終末期理学療法の現状
*赤尾 健志寺林 恵美子大場 正則水島 朝美城戸 恵美山上 亨八野田 純
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キーワード: , 終末期, 理学療法
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抄録
【はじめに】当院は、特定の緩和ケア病棟を持たず、終末期の癌患者様も一般病棟で治療を行っている。癌終末期理学療法は、一般的な理学療法の他に患者様・御家族様の精神面等様々な問題に直面することが多い。そこで今回、当院での癌終末期理学療法の現状について報告する。
【当院での癌終末期理学療法の取り組み】当院リハビリテーション科では、癌終末期理学療法として、1.患者様・御家族様のニーズに答える、2.御家族様の信頼を得る、3.チーム医療を重視する、の3点を重点的に行うようにしている。
【対象】2006年4月より癌終末期で理学療法を施行し入院中死亡した14名、男性7名、女性7名、平均年齢69.4歳、現疾患は、肺癌10名、胃癌2名、大腸癌1名、肝細胞癌1名であった。
【方法】理学療法内容(理学療法開始時・終了時)、日常生活レベル(理学療法開始時・終了時)、理学療法実施期間、理学療法最終施行日から死亡するまでの期間とその内訳について調べ考察した。
【結果】理学療法内容は、開始時はADL維持・改善練習11名、肺理学療法5名、筋力運動5名、関節可動域運動4名、疼痛緩和・浮腫改善1名であった。終了時は、肺理学療法9名、関節可動域運動7名、疼痛緩和・浮腫改善5名 ADL維持・改善練習1名であった。日常生活レベルは、開始時は歩行レベル3名、車椅子レベル8名、ベット臥床レベル3名であった。終了時は、車椅子レベル1名、ベット臥床レベル13名であった。理学療法期間は1日から10日以内5名、11日から20日以内2名、21日から30日以内1名、31日以上6名であり、平均30.9日(7~140日)であった。理学療法最終施行日から死亡するまでの期間は、死亡当日まで理学療法を施行2名、1日前から5日前まで施行9名、6日前から10日前まで施行2名、11日以上前まで施行1名であり、平均3.8日(0から20日)で、死亡5日前まで約80%理学療法を行った。内訳は、全身状態不良で理学療法中止3名、リハビリすると痛い、疲れる等患者様の訴えで終了2名であった。その他9名は休日・深夜・早朝に死亡等で最後まで理学療法を続けることができた。
【考察】癌終末期の患者様は次第に全身状態が悪化し、最終的には死に至る。しかし今回の対象者中、死亡5日前まで約80%理学療法を行っている事から、患者様・御家族様は全身状態が悪くなっていくなかでも、最後まで出来る範囲内の事をしたいという気持ちを持ち続けているのではないかと思われた。また、専門のリハビリスタッフが最後までが関わる事により、患者様・御家族様に身体的・精神的安心感が得られたのではないかと思われた。
【まとめ】1.当院での癌終末期理学療法の現状について報告した。2.終末期理学療法を死亡間際まで行ったが特に大きな問題は見られなかった。3.患者様・御家族様のニーズと信頼、チーム医療のもと終末期理学療法を行うことは大切であると思われた。
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© 2007 東海北陸理学療法学術大会
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