東海北陸理学療法学術大会誌
第23回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P016
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片麻痺患者の階段昇降時における運動効率とバランスとの関連性
*石田 智大河邨 誠飯田 有輝
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キーワード: 階段昇降, PCI, バランス能力
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抄録
【はじめに】
 日常生活上、段差昇降能力が必要とされることが多いが、片麻痺患者における階段昇降についての運動効率、身体能力の有用な指標は少ない。したがって、この階段昇降のために必要な身体能力因子を明らかにできれば、動作障害の原因や予後予測、治療プログラムを立案する上で有用な情報となる。そこで今回、歩行時および階段昇降時の生理的コスト指数(以下歩行PCI、階段昇降PCI)と、非麻痺側膝伸展筋力、Functional Reach Test(以下FRT)、下肢運動機能との関係について検討した。
【対象】
 当院回復期病棟入院中の脳血管疾患患者で、短下肢装具を使用して階段昇降軽介助レベル以上の9名(男性5名、女性4名)、平均年齢63.7±6.5歳とした。呼吸器疾患、循環器疾患、変形性関節症を有する患者は除外した。
【方法】
 PCI測定は、歩行では最も歩きやすい速さで、6分間歩行し、その時の歩行距離と心拍数から測定した。階段昇降では1段14cmの段差10段一区間となる病棟階段を用いて、昇段・降段ともに3分間の昇降段数と心拍数を測定した。非麻痺側膝伸展筋力はCYBEX6000を使用し、60°/secにおけるトルク値を測定した。FRTはDuncanらによる原法に準じて行い、装具装着での測定をした。下肢運動機能はBrunnstrom Stage Test(以下BST)を用いた。統計にはSpearmanの順位相関係数を用い、有意水準を5%未満とした。
【結果】
 歩行PCIと階段昇降PCIとの関連性では、降りでは有意な相関を認めた(r=0.71 p<0.05)が、昇りでは有意な相関は認められなかった(r=0.61 p=0.08)。階段昇降PCIの関連性では昇りではFRTとの間に有意な相関を認め(r=‐0.71 p<0.05)、降りではFRTに相関する傾向を認めた(r=‐0.68 p=0.053)。非麻痺側膝伸展筋力およびBSTとの間では有意な相関は認められなかった。また、FRTと階段昇降速度との関連性では、降りとの間では有意な相関を認めた(r=0.86 p<0.01)が、昇りでは相関は認められなかった(r=0.58 p=0.09)。
【考察】
 結果より、階段昇降時の運動効率は歩行効率とは別に評価する必要性があることが示唆された。階段昇降PCIにはFRTが関係しており、さらにPCI構成因子である階段昇降速度とFRTとの間に関連が認められたことにより、バランス能力が低いほど階段昇降時の運動効率が低下することが考えられた。今後症例数を増やし階段昇降PCIの妥当性について検討していく必要性がある。
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© 2007 東海北陸理学療法学術大会
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