東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P007
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実験的脊髄半側切断ラットにおけるヒラメ筋の経時的変化
*会津 直樹, 土肥 さやか, 伊藤 正典, 西井 一宏, 山田 晃司, 肥田 岳彦
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キーワード: 脊髄損傷, ヒラメ筋, 蛋白質
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抄録
【はじめに】脊髄損傷は永久的な骨格筋麻痺、感覚脱失、自律神経機能損失などを伴う重度な障害である。脊髄損傷後の残存能力が日常生活動作に与える影響は大きい。脊髄損傷では左右の麻痺筋が上肢と下肢にて差が見られることがあり,リハビリテーションを行う上で日常生活動作訓練の問題となる。その病態生理を認識することは理学療法を行う上で重要である。
今回我々は、実験的に作製した脊髄半側切断ラットを用い、ヒラメ筋の経時的変化を観察するために、筋肉の増減に影響を与える蛋白質の発現をWestern blot法を用いて、筋形成を促進する蛋白質であるFollistatin、Activin、IGF-1、また、筋形成に負の影響を与えるGDF-8の発現を検出し、組織学的解析結果と比較検討を行った。
【方法】実験には8週齢のSprague-Dawley雄ラットを用いた。実験群の動物は深麻酔下で頚髄C7と8の間で半側(右側)切断した。術後の観察期間を1週、2週、4週の3グループに分類し、通常飼育を行った。動物は各観察期間終了後、生化学用、組織学用に実験群の麻痺側(切断側)と非麻痺側(非切断側)、正常群の正常側(右側)のヒラメ筋を採取した。生化学用に採取したヒラメ筋から蛋白質を抽出後、Western blot法によりFollistatin、Activin、IGF-1、GDF-8を検出した。組織学用に採取した筋についてはABC染色(Myosin Heavy Chain Fast 抗体)を用いて、筋線維タイプの遅筋、速筋の割合を調べた。また、筋線維の萎縮の程度を知るために、H.E.染色標本において筋線維の短径を測定した。尚、この研究は藤田保健衛生大学動物実験規定に基づいて行われた。
【結果】Western blot法による蛋白質の解析ではGDF-8は麻痺側で術後1,2週おいて低下が認められた。Follistatin、Activin、IGF-1は術後2週で実験群の両側で低下が見られた。組織学的観察では、麻痺側において速筋線維の遅筋線維に対する割合が術後1週、2週では変化か見られなかったが術後4週で速筋線維が増加し、有意差が認められた。非麻痺側では、術後の経過に伴って速筋線維の増加が認められた。筋線維短径については術後2週まで、正常群に比して麻痺側の有意な低下が認められた。
【考察】脊髄損傷後麻痺筋の筋線維タイプは速筋線維が増加すると言われている。今回の我々の実験結果では蛋白質解析と組織学的解析の結果が必ずしも並行ではなかった。これは蛋白質の発現と組織学的所見の間で時間差を生じていることも考えられるので、今後は例数を増やすと共に、観察期間を延長した群を作製し、事実を明らかにして行きたい。
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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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