東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P009
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芳香が疼痛刺激時の脳活動に及ぼす影響
*金原 一宏, 大城 昌平, 水池 千尋, 飯尾 晋太郎, 高山 善尚, 大杉 紘徳, 喜納 将克
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キーワード: 芳香, 疼痛刺激, 脳活動
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抄録
【はじめに】〈BP〉  痛みの経験は,認知,情動,行動的側面に影響を及ぼし,脳の機能的,器質的変化を引き起こす。我々は,前頭前野領域の脳活動が他動運動時中の疼痛刺激によって,刺激前から増加し,刺激終了後に急激に低下することを明らかにしてきた。このことは,疼痛刺激を受ける前から,苦痛や不安といった主観的体験が脳活動に反映していると推測される。従って,疼痛に対するリハビリテーションでは,末梢の受容器レベルに対するアプローチだけではなく,脳での情報プロセスについても考慮することが重要である。これに対して,芳香は,精神的ストレスを軽減させ,疼痛を軽減させる上で有効であるという研究報告がある。しかしながら,芳香が疼痛を知覚している時の脳活動にどのような影響を及ぼすかについては不明な点が多い。そこで本研究では,健常者を対象として,芳香が疼痛刺激時に前頭前野活動に及ぼす影響を検討した。〈BP〉 【対象と方法】〈BP〉  対象:研究の内容の目的と方法を十分に説明し,同意を得た健常成人7名(男性5名,女性2名,年齢22-48歳)であった。〈BP〉手続き:閉眼にて2つの条件下で前頭前野領域の脳活動を計測した。条件1は,安静長座位で測定前に電気刺激による疼痛経験を与えた後,他動的屈伸運動時に電気的疼痛刺激を加えた。条件2では,条件1に加え,測定の間,芳香(ラベンダーの精油)をかがせた。他動的屈伸運動はCPM装置(contentious passive motion:スペクトラCPM-SP100,酒井医療株式会社製)を使用して,膝関節屈曲0°~45°の3回の他動的運動(1往復30秒)を行った。電気的疼痛刺激は,電気刺激装置(Neuropackμ MEB-9100 NIHON KOHDEN社製)を用いて,周波数1Hz,刺激時間1msecで行い,刺激強度はvisual analog scaleで5の強さとした。刺激部位は膝関節内側裂隙とし,膝関節45°屈曲時に1回の刺激を加えた。〈BP〉脳活動の計測:近赤外分光法による光トポグラフィ装置ETG-7100(株式会社日立メディコ社製)を使用し,前頭前野領域の酸素化ヘモグロビン(以下,oxy-Hb)の変化量を計測した。課題後に,芳香の嗜好性や気分等を尋ねるアンケートを実施した。〈BP〉 【結果と考察】〈BP〉  条件1では,疼痛刺激前より前頭前野領域の活動が増加し,刺激後に急速に低下する変動パターンを示した。一方,条件2では条件1と比較して,疼痛刺激前・刺激中の前頭前野領域の活動(oxy-Hb値)は小さかった。このことは7人中6人が芳香課題後のアンケートで「リラックスした」と回答したこととあわせて,リラクゼーション効果を示すものと考えられた。嗅覚の知覚情報は,嗅球から扁桃体へ情報入力され,島,帯状回,前頭前野へ結び付き,情動調節を果たすことにより,脳活動の低下につながったのであろう。以上より,芳香が疼痛刺激時の脳活動に影響を与えることが示唆された。
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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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