東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P083
会議情報

バランスWiiボード体重計ソフトを使用した小児用リハビリゲームについて
*築田 智晶佐々木 弘之曽山 敏一曽山 薫丸岡 恵川並 真悟小野田 美樹子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに】
 近年,障害の多様化や重度化が進んでおり,個々にあったリハビリ用ゲームは少なく,また多くの機能を持った機械は金額が高く購入が困難である.当センターではWii Fitの購入をきっかけに,バランス機能の向上を目的として治療に取り入れてみたところ,障害によっては使用できない子供もいた.
 そこで,更に簡易的なゲームを探していたところ,体重移動によるマウス移動が可能なフリーソフト,バランスWiiボード体重計ソフトwiibalancepc v0.08(以下,体重計ソフト)を入手することができ,これを活用しパソコンとバランスWiiボード(以下,Wiiボード)を連動させた新しい小児用リハビリゲーム(以下,リハビリゲーム)を作製したのでここに報告する.

【作製手順】
1.既製のゲームの問題点
既製のゲームの使用にあたり次のような問題点が挙げられた.
 ・ゲームを行う姿勢が立位に限られ,立位保持できない症例や荷重制限のある症例は使用できない.
 ・ゲームの進行が速く,子供の反応や運動のペースに合わない.
 ・得点化はされるが運動パターンは評価・記録できない.
 ・コツをつかめばゲームの得点は伸びるが,目的とするバランス機能の向上には結びついていない.
 ・ゲーム開始時の初期設定に時間がかかる.
2.ゲーム作製のコンセプト
前述した問題点を踏まえ,新しいゲームの作製に取り掛かった.
新しいゲームのコンセプトは以下の通りである.
 ・様々な姿勢で使用できるもの.
 ・ゲームの開始と終了をコントロールできるもの.
 ・わずかな動きやゆっくりした動きでも使用することができるもの.
 ・結果が目に見えてフィードバックし易く,体重移動を記録として残すことができるもの.
 ・設定が簡単で体重に関係なく誰でも使用できるもの.
具体的課題として
体重移動の軌跡で図形をなぞる課題を何パターンか作製し,試用してみた.

【ゲームの使用】
1.使用方法
パソコンに Bluetooth USBアダプタを接続し,体重ソフトを起動させ,Wiiボードをパソコンに接続する.
パソコン上のポインターをWiiボードの体重移動表示に切り換える.課題を選択しゲームを開始する.
2.課題の試用
図形の外周をなぞる課題と1から5までの数字を結ぶ課題は難易度が高かったが,ふたつの図形を移動する課題 と図形の中で静止する課題は達成し易かった.

【まとめ】
 今回,体重計ソフトを使用し,リハビリゲームを作製した.新しいゲームを試用したところ,今まで既製のゲームを行うことができなかった子供もゲームを楽しむことができた.今後は治療に導入していけるよう更に課題内容の工夫を重ね,合わせて評価・記録方法を検討していきたい.

著者関連情報
© 2008 東海北陸理学療法学術大会
前の記事 次の記事
feedback
Top