東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: S-12
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フィールドで頻用される投球フォームの指導項目と投球障害との関係
デジタルビデオカメラを用いた定性的研究
*永井 教生福吉 正樹藤本 大介伊藤 孝信杉本 勝正
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キーワード: 投球障害, 突っ込み, 開き
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抄録
【目的】
投球障害に繋がる不適切な投球フォームの改善には指導者の理解が必要であることは言うまでもない。しかし指導者と我々では着眼点が異なっているのも事実である。本研究の目的は、フィールドで頻用される指導項目を用い、障害との関係を明らかにすることである。
【対象】
対象は投球時の肩痛や肘痛のため当院に通院する患者のうち、硬式野球部に所属する男子学生で経過観察し得た36名(平均年齢16.5±1.1歳)である。これら対象を、最終通院時にすでに痛みなく完全に復帰していた既復帰群13名とそうでない未復帰群23名に分類した。
【方法】
投球フォームの分析にはデジタルビデオカメラを用いて、正面および側面の2方向から撮影し、1)foot plant時の側面像において非投球側の肩峰と上前腸骨棘を結ぶ線が床面の垂線より投球方向に傾斜している場合を突っ込みあり、2)foot plant時の正面像において非投球側の胸郭前面が確認し得る場合を開きあり、3)late cocking期の正面像において投球側肩最大外旋位における投球側肘の高さが両肩を結ぶ延長線より低い場合を肘下がりありと規定した。両群とも初診時および最終評価時の投球フォームを分析し、3項目の改善の有無やそれぞれの関連についてχ2検定を用いて比較検討した。
【結果】
突っ込み、開きの2項目で既復帰群が未復帰群より有意に改善している割合が大きく(p<0.05)、肘下がりは両群間において有意差が認められなかった。また、3項目間の関連については、突っ込みと開きの間においてのみ関連性を認め、両者の一方が有意に改善していれば他方も有意に改善していた(p<0.01)。
【考察】
投球障害を引き起こす投球フォームとして、開きや肘下がりが述べられ、肩関節水平過伸展ストレスや肘関節外反ストレスが疼痛の原因になると考えられている。しかしながら、今回の結果では突っ込みの有無も観察する必要があることが示唆され、突っ込みも投球障害発生メカニズムに何らかの影響を及ぼしていると考えられた。
フィールドで表現されている投球フォームの特徴を定量的に検討することが、今後の課題である。
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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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