東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: S-23
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重症肺炎症例に対するチーム医療の効果
~長期人工呼吸器管理から離脱へ向けた治療経験~
*水谷 拓真井上 登太
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抄録
【緒言】  近年,患者のADL・QOL向上を目的に呼吸管理サポートチーム(以下,RST)の活動報告が散見し,チーム体制による呼吸ケアの有用性が検討されつつある.しかし当院は,未だRSTの統制が確立しておらず効率的な呼吸ケア提供に至っていない.今回,包括的アプローチにより長期人工呼吸器管理から離脱に成功した症例を経験し,チーム医療の重要性について若干の知見を得たので報告する.〈BR〉 【症例紹介】  80歳代男性.てんかん発作に誤嚥性肺炎を併発し当院入院加療.入院時BGAは,pH;7.227,PCO〈SUB〉2〈/SUB〉;69.8torr,PO〈SUB〉2〈/SUB〉;84.0torr,HCO〈SUB〉3〈/SUB〉〈SUP〉-〈/SUP〉;29.0mmol/L,BE;1mmol/L.入院前ADLは自立レベルだったが肺気腫を合併しており,喫煙歴40本/day×40年.〈BR〉 【治療経過】  <リハビリ介入前>入院時より不穏状態に加え多量の痰貯留を認め第12病日,急性増悪にて心肺停止となる.CPRで回復するも経口挿管管理となり第22病日気管切開を施行.離脱困難のため第53病日目よりリハビリ開始.〈BR〉<リハビリ経過>ALB;1.9 g/dl,Hgb;8.1g/dl,低栄養・貧血を呈し,AC;24.0cm,TSF;10.0mm,AMC;20.8cmと著名な皮膚・筋委縮を認めた.そこで,Dr,PT,Ns,CE,NSTで症例検討を1回/週開催.血液データ・BGA結果を確認し,人工呼吸器の設定・栄養配分を調節し,リハビリでは離床訓練や体位ドレナージにてVAP予防・循環動態の改善に努めた結果,第102病日,人工呼吸器離脱に成功し第123病日に転院.〈BR〉 【考察】  今回,定期的に症例検討を開催し各職種の専門性を治療に有効に反映した事で,本症例は第120病日目には,ALB;3.4g/dl,Hgb;11.0g/dl,AC;26.0cm,TSF;15.4mm、AMC;21.1cmと有意な改善を得た.しかし,依然として呼吸ケアへの認知度は低く問題事項も遅々されているのが現状である.各専門職がチームの中で明確な役割を提供していくため,今後,より職種間のコンサルテーションを充実し患者ケアの質向上を目指しチーム医療の有効性を浸透させていきたい.
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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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